元気野菜について質問

Q「少しでも虫喰いの野菜は不健康な元気のない野菜なのですか?」
A:「虫食いこそが美味しい証拠、無農薬の証拠」という誤った固定観念をもった方々に対してなんとかくつがえすために強く言った言葉が、人によっては、極端に理解されて、「少しでも虫喰いの野菜は不健康な元気のない野菜だ」と勘違いする方も出てくるかもしれません。わたしとしては、原理原則のところをしっかり押さえて欲しいだけです。でも現実は白黒つけられないようなこともよくあります。
例えば昨年、うちの畑はカメムシがよく来ました。ピーマンの枝が真っ黒になるように群がりました。でもその畑は自信のある畑でした。忙しくて放置していたら、1ヶ月したころはあんなにいたカメムシがほとんどいなくなって、ピーマンは元気でした。
 ハエだって、大量発生したハエの近くに新鮮な刺身しかなければ、そこに群がるしかありません。99点の野菜でも、酸性雨、寒暖の変化の激しさ、日照不足、などで、虫がそれなりに来る場合もあります。だからといって、その野菜が不健康な野菜かといえば、そうとはいえないと思います。
 温暖化などが原因でしょうか、気象条件は厳しくなっています。ますます理想的な野菜が出来にくくなっています。ですから、農家は、虫が誘われないような元気野菜を育てる努力を精一杯続けたいと思いますが、買っていただく方は,どうぞちょっとの虫食いや、たまたま数匹虫が野菜についている程度であれば、それが無農薬のしるし、一緒に生きる自然の姿なのですから、受け入れて欲しいものです。

弱った野菜だから虫が来たのか、健康野菜にたまたま立ち寄ったのか?
土のパワー不足や追肥や間引きなどの栽培管理のミス、旬から外れた等の理由で野菜が弱って、虫がついた野菜か?
それとも、酸性雨や突風、極端な日照不足等不可避の原因で一時的に弱って虫がついた野菜か?
なかなかむずかしいところです。
だから、一番安心なのは、やはり顔の見える信頼関係でむすばれた関係ですよね。
一番心温まる、理想の関係ですね。


Q カキガラ石灰はどうしても必要なのでしょうか?
A  日本は通常酸性土壌で、カルシウムなどのミネラルが不足しがちです。草を理想通りに膨大に返すことができるなら、カキガラ石灰は不要です。ただ、カキガラ石灰も、本をただせば、山の草や木々からの贈り物の結晶ですから、土に返してやると循環できます。いずれにしても、植物が吸収できる形のカルシウムが土に充分にあると、野菜の味がまた一味うまくなります。
 
Q ブロッコリーにアオムシ、ナスにニジュウヤホシテントウが少しですがついて食べています。殺さなくていいのですか?

A:難しい質問です。元気な土で育つ元気野菜だからといって虫がまったくつかないわけではありません。たとえばブロッコリーは春は高温で酵素活性が低下するため不健康になりやすいし、夏野菜も植え付けして活着するまでは特に虫を呼びやすいですし、その後も温度が低い間は酵素活性が低下して不健康ですから、当然虫がやってきます。ただ、土の出来の程度で、虫のつき方はすご〜く違ってきます。

まず第一に、少しでも健康な状態に保つよう、植え付け時期を選び、風除けや保温などの管理をすること。次に、その野菜にとって虫のつきやすいと考えられる期間は草木灰や木酢などの有機資材を予防的に散布して健康に保つこと。その上で、虫を殺すかどうかは自分で決めてください。私の場合は、ごめんねと言いながらしっかり殺しています。もともとたいして虫はついていないので、捕殺程度で大きな効果が出ます。

元気野菜はどこで手に入りますか?
:自分のプランターで手に入ります。しっかり土に堆肥等のお礼をして熟成期間を十分おいてから無農薬で育てた露地野菜ならOK。近くの直売所などでも結構いい野菜があるはずです。実際に生で食べたり、切り口の酸化を比べたりしたらわかります。電話でもいいですから時々生産者と声を交わすことで、信頼できる生産者を支えてください。

我が家では野菜は主に生活協同組合で共同購入しておりますが、鮮度や元気度にちょっと疑問を感じることも多々あります。スーパーで買った野菜よりはるかに早く傷んでしまう事も多く、「さすが防腐剤とかがかかってないからよね」と思ってましたが、元気野菜じゃなかったのでしょうか?
:農薬をかけていないものは、逆に早く痛む場合があります。 特に外国のものは成長抑制剤までかけていて、例えばブロッコリーなどなかなか黄色くなりません また箱に梱包されビニールに密封されてきた野菜は、すぐ開けて冷蔵庫に入れないと、果菜類から出るエチレンガスがこもり、すべての野菜を早く熟成(老化)させてしまします。(ショウガやサツマイモ、サトイモは冷蔵庫に入れると逆に傷みます) 「いのち輝く元気野菜のひみつ」の本の実験は、野菜を輪切りにしてから比べています。輪切りにすると野菜の表面にかけた農薬(防腐剤)の影響がなくなり、生命力の差が表れやすくなります。わかりやすい例として、ピーマンなどは切り口が10分程度で変色に差が出ます。ジャガイモは酵素の関係で、差が出にくいようです。

Q美味しい野菜には虫がつくというのが間違った知識だとわかってほっとしています。 私は虫嫌いで(怒らないでくださいね) やっぱり虫がいない野菜が食べたいのです。 でも今までは美味しい安全な野菜は虫も食べたいんだから、少々虫が野菜を食べてもしょうがない。 と自分に言い聞かせてたんです。でもその逆だったなんて。まさしく目から鱗です。
:完全に虫一匹いないのは、農薬使用している野菜の可能性もあります。99点の元気野菜でも、少しは虫がやってきますよ!暴れ食いすることはないですが、老化した外側の葉っぱ、下葉には小さな虫がいることがよくあります。でも「元気野菜のひみつ」の8章に書いたように、少しずつ虫への感じ方が変わりますから安心してください。

それにしても、カブトムシやクワガタやホタルはあんなに愛されるのに、ゴキブリやハエはどうしてこうも嫌われるのか?人間の勝手さをここでも思い知らされました。
:それは自然な感覚なのかもしれません。腐界の虫達は私たちにとって大変大事な一蓮托生の生き物ですが、基本的に住む世界が反対で、一緒に住めない訳です。一緒に住めないものを間近に見て、いやな気持になるのは本能だと思います。ただ過剰な拒否反応はやはり不自然です。だって腐敗菌を私が飲んだとしても、彼らの住む世界ではないので自然にいなくなるか、大量に入れた場合は下痢しますから、何も恐れる必要もありません。

カキ殻石灰が売っていませんでした。
:JAなら「セルカ」の商品名で売ってます。園芸店にも有機石灰の名前であるはずで す。ただし原料名にサンゴや貝と書いてあったら、溶けるのが遅く、効果が出るのが1年 以上先になります。
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