佐世保市保健福祉部による動き

行政との連携のページ
4月から3回にわたって、市内幼稚園保育園の保育士さん達を対象にした「生ごみリサイクル体験学習の研修会」を実施した保健福祉部。
そっそく、その直後から、各園が動き出し、あらたに30園が取り組みをスタートさせています。

6月7日、まずは各園をまわって、状況を聞き、助言指導することになり、大地といのちの会のスタッフと保健福祉部の職員の方々とで3コースに別れて園をまわりました。

その一部を紹介します。

中央幼稚園


園児ともども、私たちの到着を待ち構えていました。
研修会で実習した生ごみリサイクルのプランターはトマトが元気に育っていました。
すぐ近くの草ぼうぼうの畑を借りることが出来たそうで、
これから少しずつ耕していこうと張り切っていました。
残念なことに野菜作りは本当に初めての方ばかりで、研修の時のプランターでの実習を、畑での応用することが出来ないようでした。
でも、みんなとにかくとても本気で真剣ですから、最初はしっかりフォローしてあげたいと思いました。幸いスタッフの岩永さんと縁があり、今後は岩永さんがちょくちょく見に来てくれるそうです。

お野菜さんに、お水をあげなくちゃと、急な階段をみんなで水を運びました。
お芋も植えました。これから少しずつ生ごみも入れていきます。
「しっかり経験を積んで秋には生ごみから大根を作り、大根に試練を与えて、卒園式にはたくわんを持たせるので、その時は来てください」と言われました。本気です!!

柚木幼稚園


すごい先生がおられました。研修会で伝えたことをしっかり消化して、
園児たちといっしょにわくわくの体験型食育を実践されていました。
私たち、菌ちゃん先生(吉田)と菌子先生(岩永)を園児たちは今か今かと待っていました。
さっそく畑に案内され、1週間目の畑を見に行きました。
手前は普通の堆肥で野菜が育っていましたが、少し肥料分が足りないようでした。
先の方は、生ごみでいのちいっぱいの土作り中です。

7日目の畑を前にして、「3日目はどうなっていたの?」と聞くと、
園児たちはそれぞれ
「白かった」 「菌ちゃんがあばれてた」 「あつかった」
湯気が立っていたのでしょうか、「ふうふう息しよった」と話すのです。
もうこの子達にとって、土はおなかをすかせた元気な菌ちゃんの塊なのでした。
 園児たちが周りを囲んで全体を耕せるよう、ちょうどいい面積に生ごみを入れてありました。だから、耕した場所を幼児が踏むことがないのでとてもふかふか!! だから土の底のほうまで空気がいっぱいで、底のほうも白い塊がいっぱいでした。これなら最高の土になりそうです。野菜が待ち遠しい!!
 これくらいの面積の四角をどんどん作って、周りが通路になり、碁盤の目のようにしていくといいですね。

菌ちゃんがいっぱいだよ!

柚木保育園


ここでは、子ども達に伝える前にまず自分が経験をしておこうと、
先生だけで土作り体験中でした。経過は良好、しっかり発酵中でした

お昼になろうとしていたので、園児たちの給食を出してくださいました。
ここの保育園の職員や調理員は私の講演会に参加されていて、
すでにしっかり実践、定着していて、その内容は本当に素晴らしかったです。
まずごはんは白米ではなく部づき米
大豆料理を頻繁に出し、
人参など、皮どころが生長点だらけの首付近もすべて生かして調理しています。
野菜はほとんど自家製の旬の野菜。(理事長が農家)
そして、なんとしっかり発酵が進んだ自家製味噌漬けが、
こうしてほぼ毎日園児の給食に出てくるのです。
食習慣は一生の基盤!ここの園児たちは幸せだなあと感心しました。
佐世保全体にこんな食を広げて行きたいと感じました。

漬けダルから取り出してお土産にもらいました。右のは、あめ色になった味噌漬け大根
旬の大根の元気が、微生物の元気になった、最高の発酵食品です。
これなら、たとえ食中毒菌ちゃんに遭遇したとしても、食中毒は発生できないでしょうね。

ぽっぽ保育園


昼過ぎの訪問なのに、今日は特別。みんなおきて、待っててくれました。
さっそく、食べられなかったものをおなかをすかせた菌ちゃんにあげましょう。
小さく切ってまぜまぜ、塊は足でつぶします。菌ちゃんの応援隊としてボカシも混ぜました。
その後はみんな菌ちゃんのつもりになって、菌ちゃんが増えていく様子を実体験。
3日後、子どもたちは菌ちゃんのおしくらまんじゅうの様子を想像しながら、実際に手を入れた時、どんなきもちがするだろうなあ?

お手手も真っ黒。服もちょっと汚れちゃったけど、
子ども達が大好きだから、子ども達をいちいち病気や食中毒にさせたくないから、
土を怖がる悪循環の思想から脱却して、しっかりどろんこ遊びをさせたい!!
菌ちゃんと一緒に生きられる生活を取り入れたい。
地球を怖がらない、地球に守られていることを気づける原体験をしてほしい!!
先生達は本気です。
「バイバイ、また来てね!」「また来るよ」
市民の常識になるまで私たちも支援を続けたいと思いました。

皆瀬保育園


柚木保育園と同じ親族の経営者なものですから、取り組み姿勢は柚木保育園と大変にていました。
畑のほうは、今先生だけで実体験中でした。まもなく園児たちといっしょに始めます。
こちらも野菜の皮や生長点などミネラルや生理活性物質たっぷりの部分をわざわざ捨てたりしません。しっかり、子ども達のおなか畑に入れています。
それで、最近は生ごみが出なくなり、どうしても出た生ごみは土に入れ始めたので、
ごみだしは毎週1回に減りましたとの事です。
「食材は自分たちの信用するものしか食べさせられないです」と、自家製野菜に自然塩
調味料も昔ながらの菌ちゃんパワーに満ちた醤油、味噌、そしてミネラル砂糖を使っています。
みんなで梅をちぎって、自家製酢梅、自家製梅干は昨年は240kg漬けました。

皆瀬幼稚園


こちらもまずは先生だけで実体験中で、いよいよ次回からは子ども達とやるそうです。
運転手兼環境整備兼保育のお兄さんが大変張り切っておられ、園長もしっかり応援されています。
既に生ごみで土作りが完了した畑にきゅうりとトマトが植えられていました。
夏のきゅうりは水で育てると言います。
トマトときゅうりは水管理が違うので、いっしょに植えないほうが良いでしょう。
表面に土がむき出しで、雨でたたかれた後に晴天が続いたため、土がひび割れしてすごくカチカチの状態で、きゅうりが根をはれない状態でした。

過去に苦土石灰をたくさん入れすぎた畑の場合、いい土作りをしても、乾燥するとこうなる場合があります。
常とりあえず表面を浅く砕きました。あとは、土の上には草を敷いて、乾き過ぎないように助言しました。
生ごみを入れたばかりの土のほうは、理想的な状態で、白カビもたくさんで、ほかほかしっとりさらさらでしした。

上相浦保育園

生ごみを混ぜたプランターが6つに増えていました。
ただ、未完熟なまま後半そのまま放置していたようで、上半分はがらがらに乾き、底はべちゃべちゃになって少し臭いにおいがしていました。
特に底に石を入れていない状態で、少しでも雨が振り込むとこうなります。
プランターの場合、植付までは定期的に混ぜる必要があると思いました。
とりあえずシートにひっくり返してみんなで混ぜました。

ボカシをたくさん入れたために、非常によく発熱して、どんどん乾燥してしまい、
からからの状態になってしまって発酵がストップしたままのものもありました。
菌ちゃんが動くには適当な湿り気が必要です。乾きすぎの場合は水をかけて混ぜてください。乾燥が続くと菌ちゃんでは分解できないため、ダニが異常発生することがありますから注意してください。

やる気はとてもとても高い先生方でしたが、どうすればいいのかわからずにおられたようです。たまには巡回するととても良いなあと思いました。

浅子保育園


3:40訪問の予定でしたが、子ども達だけでなくお母さん方が待っていてくださいました。
生ごみを入れた畑を見たら、生ごみの量が半分も入っていませんでした。
再度、今度はたっぷり入れるように言いました。
いろいろ聞いてみると、入れる生ごみがなくて苦労されたようでした。
浅子小学校の給食室にも生ごみをもらいに行かれたそうです。
そしたら、残念なことにそこの調理員が、市主催の私の講演会に参加されていた方で、
野菜の皮や生長点は極力活かしていて、調理くずが出ないそうなのです。
食べ残しもまったくというほど出ないそうです。
ここでも生ごみ減量どころか、生ごみの確保に東奔西走していました!!

私は、調理員の研修会の時「食育の指定校だけ皮や生長点ごと料理を実践して下さいね、それ以外の学校は、差をとるために、くれぐれもこれまでどおり、子ども達には大事なところは全部ごみに出して調理してあげてくださいね」とお願いしていたのですが、しっかり言いつけを破っておられるようです!?

「しかたない、それなら、お年寄りの方でしっかり皮をむく方々がおられるから、くれぐれも皮が大切だという話はしないで、生ごみを保育園に持ってくるようにお願いしたら」と提案して大笑いでした。

「私たちもなかなか見にこれないけど、最初が肝心だから、自分たちでしっかり勉強に来ませんか」とお誘いしたら、さっそく今月の戸尾での定例学習会にお母さんが1人参加することになりました。
やる気満々の浅子の大人たちから元気を分けていただきました。

世知原幼稚園


最初にやったプランターがとても順調だったので、花壇にも生ごみを入れ始めました。

給食センターから直接生ごみを回収後に受け取り、花壇に次々に入れていらっしゃいます。

プランターの土は1週間後にかなり、生ごみの姿がなくなっていました。子ども達も菌ちゃんを観察し、暖かい土をさわっています。

1週間でここまで分解するとは、この季節は菌ちゃん達のはたらきもスムーズですね。

島地シティー夜間保育園


街のど真ん中にある深夜2時までの保育園です。

いち早く、取り組みを始められた熱心な先生方です。
腐葉土だけを使って土作りをしている場合に、うまくいってない場合が見受けられました。
腐葉土と言っても、まだまだ葉の形が残っている程度の未浄化な状態で、そこに生ごみを混ぜているため、水分を吸いにくく、べちゃべちゃになりがちの様子でした。
小バエが大量に発生していて、土が未浄化なのがよくわかりました。
畑の土や、栽培後の培養土など、水はけの良い、粒の細かい土を混ぜなければ腐葉土だけでは、無理があるなあ…と思いました。(販売用の土ならピートモス。肥料分が入っていないし、水はけがいいので。)

どうも調子がよくなくて、土をさわるとベチョベチョでした。小さな虫が大量に飛んでいます。聞くと毎日子ども達が朝水をやっているとのことで、それをやめてもらうように伝えました。

発泡スチロールの下にかまぼこ板をはさんで水がぬけるようにしました。

トマトも乾いた固い土が好きなのに、ベチャベチャです。プランターの底には大量の水がたまっていました。かまぼこ板で傾斜をつけて、水がぬけるようにしました。

校舎裏の畑に生ごみをいれてありました。よく分解されていましたが、水はけが悪く粘土質です。まだミミズが大量にいて、分解が不十分でした。
使用済みの培養土がたくさんあったので混ぜるようにすすめました。

すぐに水はけの良い土を混ぜました。ここにはサツマイモを植える予定なので、肥料分もうすまったぐらいがちょうどいいので、すぐ作業しました。

子ども達のお昼寝タイムに先生達が、試行錯誤しながら、みんなで努力されている姿が暖かかったです。「街の真ん中で、昼間のほとんどは園で過ごすので、園で自然体験もさせてあげたい」と保育士さんが言われていました。

すぎのこ園


知的障害の子ども達が通う通所施設です。

倉庫裏で順調に土ができあがっていました。
近々、夏野菜の苗を植える予定だそうです。

校庭の片隅においてあるピーマンですが、生長点を生徒がちぎって食べてしまったそうです。
さすが、一番からだに必要なものがつまった生長点を食べちゃうとは…と感心しました。
生ごみ土を途中で食べると困るので、柵をした倉庫裏で土作りは先生が行なっているとのことでした。

トマトの脇芽つみをお伝えしました。
あたたかい雰囲気のある先生方でした。

日野保育園


使用済みの培養土でとても上手に土ができています。

こちらは、途中少し臭くなった時期があったそうで、小さな幼虫がたくさんいました。何か卵を産み付けられたようですが、もう2ヶ月近くがたっているし、生ごみは浄化し終わっているので大丈夫!とお伝えしました。

若い2人の熱心な先生方がいらっしゃって、それをみんなで応援し合っている様子でした。

今度は園庭のフェンス沿いに生ごみ花壇をつくりたいと話されていました。木のふもとに、使用済みの培養土が積んであり、落ち葉も混ざって、とても良い土がありました。「これに生ごみを混ぜたら、バッチリうまく行きますよ」
園の中でグルグル命が回り始めている様子です。
きっと、子ども達の命にもつながっていきますね。
inserted by FC2 system