これから始める学校のために

1.リサイクル野菜作りの勧め
 リサイクル野菜作りは普通の農業体験とは違います。
いのちの大切さや自然の循環、共生を自分の体で感じ、先生も生徒も、自分自身の感性の変化を観察できる最高の食農教育です!
 <リサイクル野菜作りの教育的効果>
  大地といのちの会からのメッセージのページも是非合わせてお読み下さい。
@自然の循環と共生が体感できる
 生ごみが消えた!魚が骨になった!骨が消えた!そこから元気いっぱいの野菜が育った!
不潔なものはやがて美しく元気なものに変わる!やっかいな生ごみを循環させたら、土を元気にして人を元気にしてくれる?  昔なら当たり前だった物質の循環、いのちの循環が、現代っ子の感覚をくつがえす強烈な驚きになっています。
 すべてのいのちはぐるぐると回って1つになっている。病害虫さえも地球に必要だから生きている。本質的な敵はいない! 自然界は競争社会に見えて、本当は共生し支えあっていることまで感じれるように誘導できれば理想的です。出来れば一度”元気野菜のひみつ”の本を読んでまず先生自身がこの意味を理屈で理解し、体験の中で感じて欲しいです。
 
A食べ物さんありがとう!の感性を養い、いのちを大切にする心が育つ

すべてのいのちのつながりを感じると、生き物を大切に感じるようになります。

いただきますとは土の、農産物のいのちをいただくこと。多くの小さないのちの献身的犠牲によって生かされている自分のいのちを大切にしようと考えるようになります。

B食生活改善を知識から実行へ
 これだけ食の大切さが叫ばれ、正しい食生活についての知識はあるのに、若者の食生活が乱れているのはなぜでしょうか?  それは、自分の体が土のお化けであり、食が自分の健康や行動、人生すべてに大きく影響することを、本気で理解していないからではないでしょうか。この体験活動は、私たちが食べ物を通して自然とつながり、自然に生かされていることを理解し、食行動を重大に考えようとする根本的な動機付けになります。
 うまく誘導しながら体験することで、自分が自然の一部であるといった感覚が自然に醸成され、当然のこととして、土から生まれたもの、添加物の少ないものを選択して食べようと考えるようになります。
C自分自身の中の感覚の変化をはっきりと自覚できる。
 土を汚がり、ぼかしの臭いを嫌がり、ちょっとでも体についたらばい菌に冒されたように反応していた子どもが、数ヶ月で大きく変わります。土は素手であつかうし、水だけで手洗いするし…!
 自分たちを育ててくれる微生物をばい菌と感じ、地球上の生き物たちとのつながりも何も感じられなかった感覚が、いかに不自然なものだったか。また極端な清潔、無菌主義、唯我独尊の感覚が、いかに自分の生命力を低下させ、命を脅かす危険なものだったか! 自然や環境のことを、自分そのもののように大切に考える感性が育ちます。
2.必要な資材と予算 以下に挙げるものだけです。
土と生ごみを混ぜる4本爪のクワ
土を覆うシート
カキガラ石灰…園芸店にあります。20kg800円程度
栽培のための支柱やネット
 
生ごみ…調理くずや食べ残し。生ごみのない学校、例えば幼稚園などでは、登園の際に、家庭の生ごみを持参しているところもあります。給食のない学校では近くの小学校や寮などから生ごみをもらってきています。
 
ぼかし…生ごみを腐らせないで発酵させる働きのある乳酸菌などの微生物を、米ぬかで増殖させたものです。生ごみを数日分保管したい場合や、新鮮な生ごみを畑に返すときに使います。市販品は高すぎるので、子ども達で作ることを勧めます。

ボカシ作りに必要なもの(作り方はこちら
米ぬか30kg(600円程度)、種菌、黒砂糖150g、ペットボトル、ブルーシート、ジョロ、密封用ビニール袋
出来上がるまで1か月かかります。すぐに欲しい場合は、県内の学校に限り、出来上がりのボカシをお分けします。
 
生ごみを土に帰す前に数日分貯める方法をとる場合は、ふたつきのバケツ(子どもが運べる程度の大きさ。専用密閉容器は水切りができ、液肥も貯まるので便利)、プランター栽培の場合は、プランター、土、底石(籾殻でもよい)が必要です。

3.Q&A

Q やってみたい気がするが、やり始めたらやめられなくなって、仕事が増えるのが心配ですが?
A 何か予算をかけて専用の機械を用意したわけでもないし、いつでも気軽にやめられます。
例えば、わずか1〜2週間の短い期間だけ生ごみを集めて小さな畑に入れる事から始めることもできます。そして浄化した微生物いっぱいの土に野菜や花を植えたらいいわけです。
 
Q やったことがないので、支援はしていただけるのですか?
A 要請があれば、可能な限り支援に伺います。例えば、最初に動機付けや生ごみを土に戻す作業、1か月後に、植付準備やボカシ作りなど、必要に応じて支援可能です。
 この取り組みの動機付けや基本的な考え方とやり方だけを私たちが説明し、その後の植付や栽培管理は地域におられる園芸の心得のある方々との連携で実践されるのが理想的です。
 さらに、学校の職員の皆様で研修会を事前に持つことが出来れば、先生方みんながこの取り組みの教育的価値や面白さを理解していただけるので、本当にうまく行っています。生ごみが土に帰る様や、リサイクル野菜のことが職員室で話題になりますよ。
 
Q 始めたいのですが、学校に畑がありません。
A プランターから栽培できます。プランタでのやり方のページを参照下さい。微生物たっぷりのいい土もお分けできます。
または地面をブロックで囲んで草や落ち葉、生ごみを投入すれば、うまく行くと半年で野菜が育つ畑に変身します。中里中学校潮見幼稚園の取り組みのページを見てください
 
Q 生ごみだけで、虫のつきにくい野菜が育って、それが美味しいだなんて信じられません。
A 最初はみなさんそう言います。信じられないことが起きるからステキですよね。県下の多くの人たちが、子ども達が実践済みの事実です。もちろん生ごみだけでなく草やカキガラ石灰も使います。どうしてそうなるのかの理論や、重要なコツは「いのちいっぱいわくわく生ごみリサイクル」の本(500円)に表わしています。

Q もう秋ですが、総合学習の一環で生ごみの再利用に取り組みたいのですが、今から始めて、3月までに終わることは出来ますか?

A 学校の場合3月までに区切りをつけたいわけですよね。10月末までに生ごみを入れ続けた所は12月中旬Iに、小松菜や優愛菜、チューリップ、パンジー、ビオラが植えられます。土の熟成が順調に進むよう、必ず古ビニール等で保温してください(土が乾かないように気をつけて)。また、植え付け時期もこれで限界なので、初期成育が進むよう、発芽までしっかり古ビニールをかけて保温してください。あまり大きくはなりませんが、3月までに順次収穫できます。

11月、12月に生ごみを入れた分は、本来3〜4月に種まきすればいいのですが、

3月で終わるためには、パンジーなどの花苗が植えつけられます。上述のようにしっかり保温して1ヶ月半程度は熟成、浄化させてから植えつけます。

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