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大地といのちの会からのメッセージ集

筆者:大地といのちの会代表 吉田俊道
   ●大地といのちの会のこれまでの歩み(平成20年4月)
   ●生ごみリサイクル元気野菜作りを体験した子ども達の力(平成20年4月)
   ●市民の実践が未来を拓く!(h18年3月)
   ●早岐小学校6年生からの手紙(4/18)
   ●食の安全という危険(1/31)
   ●悲惨すぎる事件の根源的原因
   ●現代人の大いなる誤解
   ●急を要する食育
   ●土を知らない人達
  ●食農教育で共生・循環の原体験を
  ●体験は子どもたちを感動させる
   ●清濁一体の感覚
   ●菌と共に生きる
  ●本気で楽しむボランティア活動
大地といのちの会のこれまでの歩み

生ごみ減量からスタート

 子どもたちの未来を守るために、大人として、自分たちにもできることを始めたいとの思いで、環境問題の講演会などを聞いた仲間が集まり、1999年9月に当会が発足しました。地球温暖化、オゾン層破壊、ごみ問題、食糧問題など、様々な環境問題について講演会を開いて学習すると同時に、具体的にはまず一人からでも始められるごみ減量運動に取り組みました。可燃ごみの4割を占めるといわれる生ごみを活用して、野菜を育てる研究を始めました。

当初は様々な方法に挑戦し、失敗と成功を重ね、ノウハウを積み重ねて行きました。その結果、生ごみを使って、初心者でもとてもおいしくて栄養価が高く病害虫がつきにくい無農薬野菜が育てられる技術がほぼ確立してきました。 

県との協働で発展

生ごみだから生命力の強い美味しい野菜が出来るという“逆転の発想”で、ごみ問題解消と同時に、実益と喜びに満ちた取り組みとなり、多くの実践者の感動の口コミや報道の支援により、市民への広がりが加速化し始めました。

平成15年からは長崎県との協働による取り組みが始まりました。初年は「ながさきパートナーシップ創造事業」。これが発展して翌年から2年間は「生ごみ減量化パートナーシップ推進事業」として、県と一体となって取り組むことで、県下各地に生ごみ地サイクルのリーダーを育成。全県下に普及が始まりました。 

食育とおなか畑の土作りへ

生ごみリサイクル元気野菜作りに取り組んでみると、お野菜さんを食べる時思わず「ありがとう」と言う子どもたちが増え、皮も芯もいのち丸ごといただく保育園が増え、生ごみをごみと思えない人たちが増えてきました。「土がいとおしい!」と言う言葉が出るようになり、自分と地球と食べもの命のつながりを取り戻したやさしい人たちが増えてきたのです。

つまり、この活動は、ごみ減量を超えて、環境問題、子育て、教育問題の根幹にかかわる、私たちの感性や生きる価値観を徐々に変革していく体験活動であることがわかり、会員の活動意欲はさらに強くなりました。

さらに土を元気にして元気野菜を作った体験は、子どもたちに「自分も元気いっぱいのいのちにつながって、元気人間になりたい」と思わせ、食の改善への強い動機付けができました。その結果、皮や芯までいのち丸ごと食べたり、よく噛んで食べたり、ご飯を中心に食べたり、甘いものを減らしたり、おなかを空かせて食べたりと言った基本的な食習慣を実践させたところ、低体温が改善し、集中力が増すなど、体力や精神力が明らかに改善された子どもたちが続出しました。病気欠席日数がはっきり低下した保育園も出てきました。つまりそれくらい間違った食生活をしている子どもたちが現実に相当数いて、それが集中力のなさや、キレやすさ、うつ病やアレルギー疾患、慢性疲労症候群で苦しむ一因になっていたのです。

そこで当会では、“おなか畑の土作り“と称する大地のいのちとつながる食生活改善17項目を提唱し、保育園幼稚園小中高校にその実践を呼びかけ、支援していて、実践校は県内外に徐々に広がりつつあります。 

活動の発展

活動体制についても、年々充実させてきました。不定期に行っていた市民むけの学習会を、平成17年からは定例学習会と称して、毎月第3土曜日に、佐世保市民活動交流プラザ内で開催。毎月コンスタントに40〜50名の参加があり、今も継続中です。さらに平成17年秋からは、市の中心部の百貨店佐世保玉屋さんの協力で、玉屋内に事務局「たまおく交流室」を常設、買い物帰りなどの市民が毎日いつでも質問や資材の調達に寄れる様になり、心やさしい市民の交流の場になり、生ごみリサイクル元気野菜作りの広がりはもう止まらなくなった感があります。

行政との連携についても、食育や子育ての一環として、長崎県教育委員会のココロねっこモデル事業に採択されたり、また佐世保市との協働により、公民館などでの出前学習会や保育園幼稚園への研修会も頻繁に開催され、県下の小中学校保育園幼稚園などにも広がり始めました。

そして、これらの活動の集大成として年一回開催してきた「リサイクル野菜の収穫祭」は、平成18年度からはスケールアップして「食育祭inさせぼ」を開催。約2000名が大ホールに集まって話を聞いたり、食生活改善体験ラリーに参加しました。さらに19年度は、この食育祭を長崎と佐世保の2箇所で開催し、それぞれ2000名が参加する大イベントが成功しました。 

また、徐々に増えてきたいのちいっぱいの食べものを求める市民とその生産者が、物心両面からより大きく強くつながっていくために、平成19年度からはさらに多様な活動を開始しました。具体的には、有機農産物の直売と市民の交流の店“だいち村三川内店”を開設。さらに、趣味以上の野菜作りが出来る市民や、有機農業の新規参入者を増やすため、有機野菜作りの研修園“チャレンジ農園”を開設。同時に生産者組織“だいち村生産者の会”を結成し、耕作放棄地を活用した、有機野菜作りを推進しています。 

以上のように、当会の活動はごみ減量から出発し、食育の推進、有機農業の振興、健康づくりなど、大地を基点にした多面的な地域活性化の活動へ自然に進展して来ました。

これまでは、活動するのに精いっぱいで、活動を広げながら、少しずつ組織も出来上がってきました。そろそろ当会の活動の内容や方向性も定まってきましたので、会員の間からも法人化すべきとの意見が強まってきました。また当会の名前や活動内容も多くの市民に知られるようになったため、より信頼性を高め、その責任を果たすためにも、法人化すべき時期に達したと考えています。

「生ごみリサイクル元気野菜作りを体験した子供たちの力」

生ごみリサイクル元気野菜作りでなぜ子どもは変わるのか?
「食は生き物、土も生き物の気づきから」

食べものさん!ありがとう

「菌ちゃんありがとう」「にんじんさん、ありがとう!」初めての人参収穫の日、食べものにに感謝しなさいとは一言も教えないのに、園児たちから自然に出た言葉です。

そして、人参をそのままかじる子たち。中には葉までむしゃむしゃ食べる子もいます。一番おもしろかったのは人参を口にくわえたままストップした子ども。その子は大の野菜嫌いで、食べなさいと言っただけで逃げ出していた子だったんです。「食べたい!」「でも絶対食べたくない!」「でも食べたい!」心の中でどんな葛藤がめぐっていたのでしょう。

生ごみを土に帰し、そこから再び野菜を育て、それを慈しんでいただく「命の循環体験」が小学校、保育園幼稚園に広がり始めています。感受性豊かな幼児や子どもたちの感性が体験を通して大転換する様には正直驚かされています。

■土って、生きてる!

生ごみを混ぜて数日たった土。「うわっ、熱かあ」「ホッカイロんごたる!」友達の驚きの声につられて、子どもたちみんなが土に素手を突っ込んでいきます。農家にとってはあたりまえの発酵熱。でも先生や子どもは驚嘆してくれます!どうして熱いの?

「生ごみを食べて元気になった菌ちゃんはどんどん子どもを生むんだよ。生まれた菌ちゃんがまた子どもを生んで、菌ちゃんがぎゅうぎゅう詰めのおしくらまんじゅうになって息をしているんだよ」と説明して下さい。手から伝わる暖かさと共に土が生き物であることを実感します

「土なんか触るな」「汚い生ごみはどこかに捨てて」そんな現代っ子が、熱い土に手を入れた時から、私たちを生かしてくれている大自然への感性が目を覚まし始めます。

■命の源は菌ちゃん

すべての生物の死の直面に現れ、すべての生物を支えている微生物。映画「もののけ姫」の中に登場する、生き物の生と死を司る「しし神」とは微生物のことでしょう。私たちは、自分たちの「しし神」様を、親しみをこめて「菌ちゃん」と呼んでいます。

菌ちゃんのことを想いながら生ごみを土に帰してあげます。一oの千分の一程度の大きさの菌ちゃんにとって、とてつもなく巨大な生ごみ。少しでも食べやすいように小さく切ったり、ちぎったり、よくつぶしてから土としっかり混ぜてやります。

すると数日後、土には白カビがびっしり。子どもたちは、白い土の塊をつかんで「菌ちゃんだ!」「雪みたい」「ビールの匂いがする」と言います。そして爆発的に増えた菌ちゃん軍団の熱さを感じながら、「土のなかの菌ちゃんは息苦しいはずだよね」と言うことで、土を耕して、空気を十分入れてあげる訳です。

それから数日後、「あんなにたくさん入れた生ごみがない!菌ちゃんが食べちゃった」と大人も子どもも本当にびっくりします。魚が骨だけになっているのを見て、猫が食べたに違いないと勘違いした先生もいました。子どもと一緒にわくわくしながら驚いてくれます。 

■必死に生きようとしているお野菜たち

 生ごみを入れてから一ヵ月。少し黒くなって完全に浄化した土にタネを植えます。「元気な菌ちゃんがどんな元気な野菜を育ててくれるかなあ?」菌ちゃんを意識した土作りから始めた子どもたちには、これから育ちゆく野菜が興味津々。勝手に生えてきたものがかぼちゃと知って「これ僕んちの出したかぼちゃの種から出来たとよ!」トマトの発芽を観察して「トマトのにおいがする!」園庭で遊びながら間違って折れてしまった人参にみんながっかり!ところが数日後には新芽が出てきて「まだ生きてた!」。霜で凍って倒れたほうれん草を見て「死んじゃった!」それが朝10時にはもう葉が立っているのを見て「また生き返った!」と驚嘆の声を上げます。そう!お野菜は毎日必死で生きて、育っているのです。 

■お野菜さんとつながる日

だから収穫の日、園児たちは冒頭のような行動をとったのです。幼児の感受性の高さには驚かされます。食べるということは、生きものの命を殺して自分の生きる力につなぐ行為。鶏だって人参だって明日も生きていたかった。これから大人になって花を咲かせたかったことは、育ててみた子にはよくわかります。しかし一方で、それを食べたい自分がいるのです。 

「人参さんごめんね。君の元気が欲しい!」心からそう思って食べる。すると人参さんの生きる力が、自分の中につながった気がします。その時ついに「ありがとう人参さん、ありがとう菌ちゃん。私は生かされている!」という感覚が甦ってくるのだと思います。

自分から「ありがとう」と言ってくれた子どもたちを、私は心から真剣にほめます。その時からもうこの子達にとって、食べる時間は、地球の命とつながる時間になります。毎日3回の食事時間が、同時に心の底の方では地球に生かされていることを確認している時間となった時、どんな心やさしい子供が育つのでしょう。 

■私は地球〜感性が変わった子どもが取った行動とは?

教室で干からびた虫を見つけた2年生。先生は何気なくごみに捨てるように言いましたが、その子は「だめだよ先生。ちゃんと土に戻してあげなくっちゃ」と学級園に戻したのです。地球の秘密、どんなに汚そうなものでも、それが一番きれいで元気なものに、そして自分にもつながっていることを、この子は身体を通してわかっているのです。

栽培学習でサツマイモを植えている小学校は多いですが、収穫した後の芋づるは不要物。可燃ごみに出そうとした先生を見つけた小学二年生は、「捨てないで土に帰してあげようよ」とみんなで芋づるを土に混ぜました。

 落葉や雑草だって大地のごちそうです。子どもたちは「木のごはん」と言って木に戻してあげます。これを平然と可燃ごみに出す大人の感性がいかに不自然か?

土や食べ物をとても大切に感じてくると生ごみもなかなか出なくなります。子どもの感性に影響されて、大切な野菜の皮や生長点(芯)を捨てることができず、調理に活かす保育園がどんどん増えています。もちろん加熱調理するのですから食べても何の問題もありません。

夏にスーパーでほうれん草を買おうとしたお母さんに、「ほうれん草は冬、元気なんだよ」と言う園児。だって冬のほうれん草のすごさを知っているから。

台所でお母さんが切って捨てたほうれん草の地際部。でも子どもはそこが一番元気な所だと知っています。「ここ、お母さんが食べて」と優しい声で言う子に戸惑うお母さん。

家庭科の学習で人参の皮をむかせようとした先生に、「どうして捨てるの?皮は人参さんのバリアなのに」と言う小学生。

自然の循環の感性を取り戻した子どもたちの素直な言葉に、大人がおたおたしています。この地球は一見すると弱肉強食の競争社会に見えますが、真実は、みんながつながり支えあって生きているようです。この感覚に目覚めることが、真の循環型共生社会への入り口なのかもしれません。この入り口にたどり着くのは子どもが先のようです。私たちは、自分と土と、すべての命たちとのつながりを感じた、心やさしい子どもたちがどんどん増えていくことを願って活動しています。

※生ごみリサイクル元気野菜作りの具体的方法は「食農教育」の新年号から連載開始します。


■元気野菜作りから元気人間作りへ

自分と食べ物のつながりを知った子どもたちは、食を真剣に考えるようになりました。

「僕たちも元気野菜のようにおなか畑を命いっぱいにして元気人間になろう」

やる気十分になった子どもたちは、実際にジュースやお菓子を減らし、おなかを空かせてからご飯とお野菜を中心によく噛んで食べたのです。その結果、便通が改善し、低体温だった体温が上がり、集中力やイライラ、心の底の不安感まではっきり改善して驚く子どもたちの感想が続々出てきました。ホームページ「生ごみリサイクル元気野菜作り」に詳しく掲載しています。

食育は知識ではなく、実行するかどうかです。「家庭の食まで立ち入って指導できない」と嘆き、諦めている大人たちを尻目に、子どもたちは出来ることを精一杯実行しています。そんな子どもの純真さが、少しずつ家庭を変え、地域を変えようとしています。

市民の実践が未来を拓く!〜長崎の環をつなぐ食育祭報告

 昨年末開催された「長崎の環をつなぐ食育祭」。何しろ初めての開催で、各催しの場所も見つけにくく、タイムスケジュールもわからず、各コーナーは長蛇の列など、参加された皆様にはたくさんご不便をかけました。それなのにほとんどの方は自分も主催者であるかのごとく、文句を言わずにこやかに体験して満足されていて、申し訳なくまた大変ありがたい思いでした。

2300人を越える参加者が大地の力とつながる食を体験しました。人参ジュース試飲コーナーでは、あまりの美味しさに、何か加えているのでは?とジュースを絞る現場を偵察される方が続出。ごぼうスープの飲み比べも、皮をむくかどうかであまりに違う味わいに皆さんびっくり!皮の力に納得でした。雑穀入りや3分つきご飯、玄米ご飯の美味しさにびっくり、インスタントと本物味噌の味噌汁の飲み比べでも、微生物の力が出す味わいを皆さん納得でした。

さらには大ホールに2000名集まって講演と体験発表、最後の実行委員長の挨拶では多くの方が感動の涙でした。皆さん多くの仲間と出会い、自分も何かしよう。そしてあきらめないという深い勇気と希望を持って帰られました。

何が参加者をこれほどまでに心奮わせたのでしょうか。あるスタッフは米の収穫から手伝い、前日の夜中も玄米ご飯を炊き、開始直前までおにぎりを作り続け、会場に走りました。ある人は、次から次に押し寄せる参加者に、本当に楽しそうに手抜きをせずに終日説明をし続けました。ある人は手がしびれて力がなくなるまで人参を搾り続けました。ある人は講演も聞けず、他のコーナーを見て回ることも出来ず、ただ1日中立ちっ放しで人参ジュースを作り続けました。人前で発表することもなく、名前が出ることもなく、謝金もない。それなのにとても楽しそうに、そして一生懸命自分の場所で自分の役目を果たしている。そして全体として大きなイベントが進行していく。こんな生き方の出来る人たちが長崎にこんなにたくさんいる。その姿に、その暖かい心に参加者の心が共鳴したのだと思いました。

誰の力でもない、一人一人の思いが集まった市民パワー!小さい思いが集まって波紋が起きれば、いよいよ大勢の市民の心に火がつく。そんな未来への希望を予感させた大イベントでした。

すべては、今日も地道に生ごみから元気な野菜を育て、感動を周りに広げているあなたの実践から始まります。ますますワクワクと楽しみましょうね。(h18年3月)

早岐小学校6年生からの手紙

早岐小学校6年生からの手紙

大地といのちの会の皆様、先日の発表会にはわざわざ来て下さってありがとうございます。またその前にも劇の練習を指導したり農園を見に来て下さいました。おかげで大成功でした。

この生ごみリサイクル活動を通して、私は多くのことを学びました。例えば「命の循環」。今まで汚いと思っていた微生物が土を良くしてくれていたこと、つまり「命が命を作っている」ということ。このことを自分の体で感じた時、とても感動しました。「命の大切さ」がわかった気がしました。

私は、生ごみリサイクルをしていて、いいものをたくさんもらいました。まず人と多く関わることが出来たということ、次に「いのち」を感じることができたということ、まだたくさんあります。この活動のきっかけを作ってくれた「大地といのちの会」の皆さん、本当にありがとうございました。

私はこの感動、楽しさを他の人にも味わってもらいたいです。だから中学生になってもこの活動を広げていきたいです。これからもご指導よろしくお願いします。

返事

本当にお疲れ様でした。みんなのあの積極性!皆さんが本当に大人の人に伝えたいと思っていることをひしひしと感じました。
 ニンジンは、まく時期が遅かったのに、よくあんなに大きくなりましたねえ!しかもあの味に、みんなびっくりでした。
 きっとこれから、生ごみを土に返して土を生き返らせる取り組みが地域に広がっていくと確信しました。でも急に広がるわけではありません。大人でも、あせりすぎて思うようにいかず、がっかりして途中であきらめる人も多いです。皆さんは、まず自分たちが楽しんで経験を重ね、それをじっくり伝えていって下さいね。
 また夏の元気野菜作りに挑戦して欲しいなあ。美味しいトマトやピーマンを育てませんか?ソバなんか茎葉は美味しいですよ。何回でもまいて1ヶ月半くらいで収穫です。きゅうりもはっきり味が違うんですよ。途中で、敷き草をはいで下さい。白いきゅうりの根がびっしりと広がっていて、土の命を精一杯つかんでいるのがわかりますよ。
またモロヘイヤやツルムラサキは夏のスタミナ野菜です。
 そして、畑の土だけでなく、ぜひ自分のおなか畑を元気いっぱいにして欲しいです。

ご飯は、命のもとがセットで詰まっています。白米ではなく分づきにして食べてね。雑穀を少し混ぜて欲しいなあ。

旬の元気なお野菜は、炭水化物や脂肪や淡白質などの体の材料だけではなく、もっと大切な元気の源(生理活性物質)をたっぷり含んでいます。本当に大切ですよ。皮と成長点を食べてね。

それからお野菜や海草の入った味噌汁は毎日食べて下さいね。

これが土の微生物のパワーとつながる食です。自分を支えてくれる、これらの小さな命たちのやさしさに「ありがとう」と言っていただいて下さい。

これを数ヶ月実行すれば、体や心がますます元気になって、病気にかかりにくく、治りが早くなります。勉強の集中時間が増えて、少ない時間でよく頭に入るようになります。自分で自分の心や体の変化に気づく人も多いですよ。

食を選ぶことが出来た人は、自分の人生を思い通りに幸せに歩むことが出来ます。夢が実現するまであきらめずに楽しく続けることが出来ます。だって、あなたの体の中には、地球の生きる力がたっぷりつながったのですから。たくさんの元気な命があなたの応援団になってくれたのですから!

食の安全という危険

 土はばい菌だらけ!だから皮は全部むいて食べましょう。菌は敵。だから手もまな板も包丁も消毒しましょう。生野菜はどんな菌がいるかわからないから、お湯で殺菌して酵素を壊し、ミネラルも流してから食べましょう。給食のイチゴはヘタを全部取って消毒してから出して下さい。こんな滑稽な無菌主義が責任回避のためにまかり通っています。どうしてそこまで子ども達の命を弱らせるのでしょう?

関係者の方怒らないでね。他人に責任転嫁して自己責任で生きられない人がいる中ではそうせざるを得ないのですよね。ただ、その結果日本人はますます弱くなり、いつでも病原菌が繁殖できる状態です。極少量の菌で簡単に食中毒を起こす人がいるので、ますます食材は完全な無菌化、添加物使用を要求され、調理場はすでに集中治療室並みのレベル、時々加工食品に消毒薬の臭いが残る始末です。

実はまったく同じ現象が農業の世界でも起きました。微生物の少ない弱い土だと、作物の生命力が弱り、土壌病原菌にやられやすくなります。それを病原菌が悪いと勘違いして、土全体のあらゆる命を毒ガスで殺す土壌消毒を行います。その結果作物はますます生命力が弱まるので、普通なら問題にならない程度の極少量の病害虫が侵入しただけで、競争相手がいないため激発し、作物は壊滅的打撃を受けるようになります。そうするともっと土壌消毒を徹底するという悪循環に陥ります。O157で重症となった人は、超清潔な生活スタイルの人だったという報告と同じ原理です。

今では土壌消毒後は微生物たっぷりの完熟堆肥などを投入するのは常識です。せめて人の場合も、抗生物質や防腐剤などをおなか畑に入れたら、その後納豆や生味噌やたくあん、梅干などの無添加漬物をたっぷり入れて欲しいものです。

そして土壌消毒とは逆に命いっぱいにした畑だと野菜に病害虫が来ない様に、人も無菌ではなく生命力に満ちた食べ物をおなか畑に入れて欲しい

目の前のちょっとした危険に過敏になり、バランスを欠いた安全志向が、生命力の激減した食品を増やし、生命の重大な危機を徐々に進行させています。

不健康な野菜にたかる病害虫の様に、日本人をねらう病原菌は目白押しです。いつか殺菌、防疫のバリアが壊れたとき、何人の人が生還できるのでしょうか?

生ゴミリサイクル元気野菜作りを通して土とのつながりを感じ、自然から生かされている実感のある人は気づいています。いただきますとは自然からの命をいただくこと。食品に残すのは消毒殺菌臭ではなく自然の息吹。食の安全よりも食の生命力です。

 滑稽で悲惨な結末を迎えないよう、土とのつながりを、無数の微生物が自分を支えていることを体感できる人がもっと増えて欲しいです。
(大地といのちの会通信11,12月号より)

悲惨すぎる事件の根源的原因

これだけ頻繁に悲惨すぎる事件が起きて、まだ社会は根源的な原因を黙視し続けるのでしょうか?今の子達はいのちの大切さは道徳教育などで十分に知っているのです。でも自然から隔離されている今の子ども達は、自分の命が多くの命の献身的犠牲で支えられ、大いなる自然に生かされていることや、いのちは全部つながっていることを、体はまるっきり理解していません!母なる土を汚がり、消毒と称してすべての生き物を殺して安心する不自然な姿は、かわいそうで痛々しくさえ思えます。

リサイクル野菜作りの、汚いものからきれいなものが生まれるギャップに、その野菜の元気さおいしさに、子どもたちは予想以上に感動し、自然への感性が大きく変化しています。もっともっとこの体験と感動が広がって欲しいです!

早岐小の子ども達はすごい!この感動をまわりに伝えたくて自分達で隣の幼稚園に相談に行きました。そして園児にリサイクル野菜作りを経験させようと、給食後の貴重な30分を使って毎日せっせと調理くずなどを幼稚園の畑に返しています。あの子達の姿は私達を本気にさせてくれます。

8月1日に一大イベント「リサイクル野菜の収穫祭」が行われます。早岐小の子達の発表もあります。ぜひお友達を誘って参加して欲しいです。野菜がある人は持ち寄って、コンテストや交換会を行いましょう。そしてさらに多くの人たちへこの楽しさをアピールしましょうよ。

仮にこんな自然体験や愛情の乏しい子だったら実際に凶行を行い得るのでしょうか?普通の子が些細なことで受容限界を超えてしまい、突然悪魔に豹変したかのような凶行には、もうひとつの根源的な原因が考えられます。

実は不可解な少年凶悪殺人を起こした人27人中なんと23人に脳の異常がありました(「子どもの脳が危ない」PHP新書)。今、精神的に何らかの障害のある子が増えています。という事は障害と認定されない予備軍の子も増えています。考えてみてください。環境ホルモンによって若者の生殖能力が低下していることは常識となってきましたが、体にはっきりわかるくらいの形成異常が起きているのに、脳に微妙な障害が起きないわけがありません。少なくとも数十種類の化学物質がすでに体内に存在することが確認されているのに、この物質は怪しいという研究成果を報道することが抑制される社会!そんな世の中に暮らしていながら、妊娠する可能性のある女性が、土から生まれていないものを含んだ食べ物を平気で食べているのが不思議でなりません。母親の体内の化学物質の量と、その赤ちゃんの能力には関係があることも報道されているのに!間違えないで欲しいのですが、障害者は犯罪を起こしていません!脳にハンディがあることを無視されて育てられた人たちの中で、たまたまいろんな条件が重なって発生しています。

たくさんの人に科学的事実を知って欲しい!そんな思いで、「子どもの脳があぶない〜サラバ環境ホルモン」の講演会を長崎と佐世保で開催します。一人には力がありません。でもつながりあって、あなたが講演会や収穫祭に参加した時から、着実に世の中は動き始めると信じています。

現代人の大いなる誤解

 野菜の外側は一番大切なところ。生ごみを使うとすごく元気で美味しい野菜が出来る。虫はまずい野菜が大好き。虫や菌には大切な役割がある。病気で体がきれいになる。食べ物は人の精神にまで影響する。

これらは私たち多くのリサイクル野菜作り仲間にとって常識ですが、今の中学生ほぼ全員が、正反対に勘違いしています。だから初めて私の話を聞くとみんなびっくり仰天です。でも子どもは素直だから「なるほど考えてみればその通りではないか」としっかりと納得してくれます。

土から離れた現代人が、いかに自然の愛を、循環を知らなくなったか!まるっきり不自然な常識、価値観を誤って持ってしまっているほとんどの大人や子どもたち!中学生の感想文を読んでいると、この活動がいかに大切で緊急性のあるものなのかを改めて思い知らされます。皆さん!気づいた人から実践して自分で納得して、周りに伝えて下さい!

 

講演を聞いた中学生の感想文の要約

 
 食の認識がたくさん間違っていたことにびっくりです。例えば、野菜で一番栄養があるのは皮の部分だということも初めて知りました。「まさか、ニンジンの皮までむいてないでしょうね!」と言われたけど、家はそのまさかです。

私も丈夫な体を作りたいです。授業中も集中力がなく、テスト前にとても苦労します。だから今日言われた中で飲み物とお菓子を気をつけてみようと思います。牛乳が飲みすぎは良くないとは初めて聞きました。

 私たちが食べて残ったものが土に帰り、それがさらに元気な命になり、私たちの口に戻ってくる。すごいです。昔の人はこのようにして自然のリサイクルをしていたんですね。

 一番心に残ったのは、生ごみのリサイクルで作った野菜の元気さです。すごい違いにびっくりしました。家で実験してみます。

 生ごみは臭くてきたないもの。だからおじいちゃんが生ごみを土に入れているのを見ておかしいと思っていましたが、出来た野菜は確かにおいしかったです。吉田さんの話を聞いてやっと意味がわかりました。

 私の家には畑があって時々母が生ごみを埋めているのを見て「意味があるのかな」と思ってました。でも今日からは母と一緒にリサイクルしたいと思います。自分で作った野菜を丸かじりしてみたい!

 生ごみのパワーを知りました。とても印象的で生ごみのイメージがくつがえされました。野菜は好きじゃないけど生ごみで作った野菜がおいしそうでした。これからの世の中を私たちが変えていこうと思いました。

 生ごみを土に返すのは意外と簡単でした。多くの人にやって欲しいです。土に感謝し、虫に感謝して、食べ物をおいしく食べようと思います。

 驚くことだらけでした。ハエや虫など何でこんな汚い虫がこの世にいるんだろうと思ってたけど、まさか汚いものをきれいにしているとは思いませんでした。風の谷のナウシカは見たことはあっても深く考えて見ていなかったので「あっそうか」と思いながら聞いていました。

 はじめて知ったことばかりでしたが、その中でも虫がよく食べる野菜はマズイ!ということが一番ビックリしました。人間は自分たちのことを「私、きれい好きなの!」とか言うけど、本当にきれい好きなのは虫や菌たちなのかもしれないと思いました。

 あんな小さい子がおいしそうに大根を丸かじりしているのを見て、有機栽培はもっとたくさんの人に伝え、実現していくことが大切だと思いました。また食べ物で自分の体の状態が良くなったり悪くなったり集中力が上がったりすることもよくわかりました。本当に食生活は大切なんだと思いました。

 菌が汚いものをきれいにしてくれているなんて。それに病気が熱と汗で体から悪いものを吐き出すものだったと聞いて驚きました。本で「菌は悪いものではない」ということは知っていたけど、まさかそこまで菌が人間と関わりあっていたなんてすごいなーと思いました。

 僕たちがふだん気持ち悪いと思っている虫や微生物が最高の働きをしていることも十分に実感しました。僕も吉田さんたちみたいなことをしたいです。今日から生ごみや微生物などに対しての気持ちが変わりました。これからもこのようなすばらしい活動を続けていってください。そして私たちと地球を守りましょう。

 びっくり、納得しながら聞いていました。僕は今の日本は間違っていると本当に思いました。この話を家族にも伝えます。

急を要する食育

「僕は毎日1回以上ジュースを飲まないとイライラします。吉田さんの子どもは本当にジュースを飲まないのですか?」

「ジュースなど甘いものを取りすぎると、集中力がきれすぐ怒り出したり体がだるくなったり病気しやすい体になると言われたとき、自分のことだと思いました。僕は集中力がないです。少しずつ減らしていき、自分がどう変わるか試してみたいと思います。」

「私は毎日甘いものばかり食べています。帰ってはコンビニにお菓子やジュースを買いに行ってます。だから私は病気になりやすいのかなあと思います。これからは甘いもののとり過ぎに注意し、ご飯や地元の野菜を食べて元気な体を作って行きたいと思います。」

「現代型栄養失調症というものに、自分もなっているかもしれないと思いました。高校生になってあまり感動しなくなったように思えるし、集中もあまりできなくなってきたし、意欲が何事にも少なくなってきました。ジュースは毎日1本飲んでいて、飲まないと落ち着かないし…。これからは肉や糖分のとり過ぎに注意し、元気野菜を食べるようにしたいです。」

「自分は今まで牛乳や卵は体に良いのだから飲みすぎても良いと考えてました。始めてそれはよくないことがわかりました。」

「私は先生からいただいた食生活のチェック項目をちゃんと意識して食べるようにしました。その効果なのでしょうか、前は練習メニューを減らしがちになっていたのに、今ではついていけるようになっています。」

 これらは大地といのちの会の吉田俊道さんの話を聞いた中学高校生の感想文の一部です。現代っ子の食生活の実態と無知さにはあきれ返ります。食べさえすれば何でもいいといった食を軽んじる傾向は、幼少期の食農教育不足が原因だと思います。子どもたちに、土と触れ合い、微生物を感じ、生きる糧を自ら育てる体験をさせてあげたい。そして私たちは土のお化けで、多くの小さな生き物たちによって食べ物を通して生かされているんだといった感覚を身につけて欲しいです。私たちは県下の学校に働きかけていのちの循環する食農教育を広げています。

スポンサーのつく情報ではないのでご存じない方も多いのですが、外国では血液や毛髪検査等で、栄養と集中力や犯罪との関係が数多く調査されています。もし、竹の子とこんにゃくを食べさせて、カロリー不足で歩けない子をムチで無理やり歩かせようとしている親がいたとしたら、あなたはきっと「そんな食事じゃ動かないのは当然だよ!ご飯を食べさせてよ」と言うでしょう。もしあなたが落ちつきのない集中力の弱い子をしつけで治そうとしていたら、私も「最後は児童虐待にまでなるよ!まず食べ物を改善してよ」と言いたいです。

外見の発育の内側で、大事なビタミンミネラル、抗酸化物質類が極端に欠乏しつつありませんか?下の図を見て、生活をチェックしてみて下さい。

土を知らない人たち

 若い人は特にそうですが、野菜の皮は捨てるものと思い込んでいる人も多いのには驚きます。学校給食でもむいてますし、土の中の菌が恐いからと皮を取りよく洗うことを勧める専門家もいるくらいですから仕方ありません。

でも我が家では4歳の子も、畑で抜いた人参を素手で軽く拭いてそのままがぶり!あっという間に葉以外はガリガリ食べてしまいます。うちの子たちにとって、土は全てを呑み込んでまた新しい命に変えてくれる万能の母のイメージ。皮をむくなんてとんでもない。

それにうがいはしたことはないし、手洗いは水だけ、落ちたら拾って食べます。そして保育園に通いだしてもう4年間、病気で休んだことがありません!奇跡みたいでしょう。菌や虫たちいっぱいの中で病害虫にやられず育つ元気野菜と同じです。我が家では菌を敵視するような生活習慣は一切しないかわりに、元気いっぱいの体を維持するための知恵はしっかり教えています。例えば小学生の子は土を不潔とは感じない代わりに、食べ物の中に土から生まれたもの以外が入ってないかには気をつけています。土と化学物質とどちらが有害かを知っています。
 この共生の時代への転換期を子どもたちがしっかり生き抜いていけるように、小さい時に土と親しみ、私たちと土、そして全てのいのちが繋がっていることを感じる原体験の必要性を痛切に感じます。この原体験を日本人はいつの頃からか忘れ、土はバイ菌の塊、生ゴミは不要で不潔なやっかいもの、微生物は全部消毒すべき敵、野菜は化学肥料と農薬で作るものと考えるようになりました。映画『風の谷のナウシカ』の大人たちとそっくり!その行き着く先は?かわいい子どもたちを破滅から守るために、私たちはナウシカのような幸せな人たちを増やす活動を精いっぱい続けています。

食農教育で共生・循環の原体験を

 学校で取り組んで欲しい食育の1つとして土からの教育があります。野菜や花を育てられる先生や栄養士はいます。でも一番大事な「いのちのつながり」を体感させることがあまり出来ていません。学校によっては学級園の草は完全に抜き取って捨て、毎回化学肥料を投入しています。落ち葉さえも木の根元に集めず持ち去るため、木はミネラル欠乏により老化が進んでいます。これでは、物質やいのちの循環、土からの教育どころではありません。土の生き物たちに想いが及ばず、いのちのリレーで生かされている自分に気づくことが出来ません。自分たちが土や微生物とつながって支えあっていることを体感し、親しみや感謝の心が自然に湧き上がってくるような体験がないと、自然環境の問題を教えてもただの知識で終わってしまう恐れさえあります。

リサイクル野菜作りの活動は、15年度は長崎県と私たち大地といのちの会の協働のモデル事業として行いました。その一環として、学校の先生や子どもたちに助言して、給食残渣や調理くずが土になる体験や、そんな生きた土から生命力の強い美味しい野菜を育てる支援もしています。学校の先生向けの実技研修会「学級園で生ごみを活かしておいしい元気野菜作り」も長崎と佐世保で開催しました。

やっかいものが宝に変わったうれしさや、素晴らしい自然の仕組みへの驚きを、子どもたちからも大人の皆様に伝えます。純粋な子どもたちの願いが、未来に責任のある私たち大人に大きな力を与えてくれるものと思います。

体験は子どもたちを感動させる

学校で、給食残渣をいのちいっぱいの土に変え、生命力の強い美味しい野菜を育てる活動が広がっています。保育園幼稚園の子たちも出来た大根をそのまま丸ごとみんなでかじっています。以下は子どもたちの感想です。

「生ゴミが土にかえることは知っていましたが、実際、目で見たのは初めてだったので、あれほどきれいに形が無くなるまでになるのにはビックリしました」

「初め、生ゴミが土に変わるなんて、絶対ないと思っていました。あんな汚そうな物が微生物によって本当にきれいな土に変わるのにびっくりしました。」

「いざ生ゴミを入れようとすると、その強烈な臭いや見た目に参ってしまいました。でも、できた野菜を食べてみて、いつもの野菜とは違うあの味は、私の中ですごい衝撃でした。生ごみでこんなに味が変わったと思うと感動です。それに腐れ方まで全然違いました。これならゴミも減って、環境にも体にもいい。文句なし!ぜひみんながやってみて欲しいと思います。これはスゴイです!!」

できた野菜の、なんと生命力の強いことか!

私たちのいのちって、土のいのちからつながっていたんだ!

土さんありがとう!

同じ野菜が、土の違いだけで、こんなに虫のつき方が違うのか!

虫はまずい不健康な野菜を食べてくれていたのか!

虫さんありがとう!

この感動は自分で体験しないと、人の話ではうまく伝わらないもののようです。家庭で学校で保育園で、いのちの循環の体験活動が始まって欲しい!そのために私たちは全力で活動しています。 生ごみを活かした元気野菜作りの具体的な方法は、「いのちいっぱいわくわく生ごみリサイクル」(500円、注文は0956-58-5678まで)をご覧下さい。

清濁一体の感覚

土と微生物の力で、あの汚そうな生ごみが、いい香りのするきれいな土に変わる。そして、そのいのちいっぱいの土からは最高に元気な野菜が生まれる!まさに自然の循環の妙、清濁一体の感覚を子どもたちが体験しています。昔は人糞尿を肥え溜めで熟成し、篤農家はそれをなめて完全に浄化したことを確認してから肥料に使っていて、その野菜には病害虫はほとんど来ませんでした。寄生虫や病害虫の問題は、未熟の人糞尿を直接野菜の近くにまき始めてから発生したのです。ほんの一昔前の人は、清濁の循環、そして、腐界、浄化界に住む生き物たちのことを知っていたのです。

 

その感覚を忘れた近代農業は、化学肥料を使って見た目はきれいだけどいのちの少ない土と野菜を作ってしまったのです。

私も農学に身をおいたものとして一言弁解しておきます。作物の体の材料は主にN、P、K、Caです。これらの材料は適度に重量があり、測定も追跡もできました。しかし、生命力に関係する抗酸化物質については、現在でも未知の物が多く、重さにすると微量のため、これまで把握できなかったのです。そのため作物の主材料のみが研究され、一番大事な生命力については無視するしかなかったのです。その結果「仏作って魂入れず」の言葉通り、50年前に比べて現在の野菜は栄養価が激減する事態になってしまった訳です。

生ごみなどを使わず、化学肥料中心の清浄な土で栽培した野菜は、次第に生命力が低下し、育ちにくくなってきました。

今の川でもまったく同じことが言えます。自然に発生する汚れを川に流さなくなりました。その結果、そこには一見きれいな川に住む生き物が住んでいますが、生き物の量が昔とは圧倒的に違います。

土に生ごみを入れて微生物いっぱいにして元気いっぱいの野菜を育てたように、川には汚れ(生き物のえさ)を与えないと本当の意味で生き物いっぱいのきれいな川にはならないのです。「川清くして魚住まず」のことわざを思い出してください!

問題は、適度な汚れを川に流しても、それを食べて浄化出来る生き物が少ないことです。その原因は微生物の生息場所を無視した河川工事と、何より生き物を殺してしまう合成洗剤等の使用です。微生物が喜んで食べる汚れと微生物を殺す汚れ、この天と地ほどの開きのあるものをごちゃ混ぜにして、BOD等の尺度でしか測定しないなんてあまりにも非科学的です。

この重大な誤りを指摘する声が少ないのははなぜか?それは「汚いものは循環してやがていのちいっぱいのきれいなものに変わる」と言う清濁一体の原体験を持つ人が少なすぎるからだと思っています。

一見汚そうな生ごみできれいな土を作り、元気いっぱいの野菜を育てる具体的な方法は「いのちいっぱいわくわく生ごみリサイクル」(500円、県内主要書店で販売中)をご覧下さい。

菌と共に生きる

 土からの循環を原体験に持たない人が圧倒的に多い今の社会は、菌を恐がり、ますます反対の方向に加速しつつあります。鳥インフルエンザが恐くて、元気な鶏まで処分したり、外界と完全隔離した鶏舎への改良を推進しています。そうやってますます養鶏の鳥たちは、自然と隔離しないと生きていけない弱〜いいのちになっていくのでしょう。

すでに人間も、自然の中では生きられないいのちになりつつあります。身の回りの殺菌消毒、ワクチン接種や抗生物質でかろうじて生きていませんか?体から微生物が無くなれば無くなるほど、いざ病原菌が入ったら簡単に重病化します。このことは鳥インフルエンザやO157で実証済です。そうやって人間以外の生き物を殺し続けた先には?いよいよ人間も鶏舎のように完全隔離された部屋の中で生きていきますか?

元気野菜は、菌を敵にしないで、菌と一緒に元気いっぱいに生きる道があることを教えてくれます。

本気で楽しむボランティア活動

(大地といのちの会通信2004.5月号より)

 「何でそこまで、生ごみリサイクル活動を真剣にやれるの?」あきれるようにそう聞かれることがあります。そんな時はうれしくなって「本当!バカなこと楽しそうにやってるでしょ?」と答えます。私たちが金にはならないけど何か大切なことのために本気で取り組んでいるということを感じ取ったからこその質問だからです。

 

 雑草や落ち葉は元気な土の源なのに、なぜ多くの人は地域や学校の掃除の時、それらを可燃ごみとして持ち出し、きれいになったと喜ぶのでしょう?

 なぜ多くの人は微生物に有害なものを川に流し続け、川の微生物のえさは流さないようにしてBODを低下させ、生き物が少ない川をきれいになったと喜ぶのでしょうか?

鳥インフルエンザが発生したら、なぜ外界から完全隔離した窓もない鶏舎を推進するのでしょうか?やがて人間も外界と隔離して生きるつもり?

O157が恐いからと、なぜビタミンミネラルが一番濃縮している根物野菜の皮を(人参でさえ)完全にむき捨てて、大事な栄養の抜けた無菌食を給食で子ども達や病人に食べさせるのか?超お清潔な人がO157にやられている事実を知らないの?

食育が叫ばれ、朝食の大切さを耳にたこが出るほど聞かされるのに、それでも多くの若者は朝食をとらず、甘いジュースを毎日のみ、市販の加工食品を主食にするのはいったいなぜ?自分の体が土のお化けであり、無数の小さな生命によって生かされていることを感じたこともなく生きている人たちがかわいそうです。

なぜ医療は発達したのに病人が増える一方で、新型病原体まで出現するのか?なぜ集中力の弱い子が増え、また突発的犯罪が増えているのか?なぜ人は争いたくなるのか?なぜ未来がなくなりそうなのに、社会の仕組みは変われないのか?

これらの根源的原因は言葉で言い難いですが、私たちが自然の循環、共生、愛を感じなくなったからだと思うのです。まずは、土と触れ合い、微生物を感じ、生きる糧を自ら育てる体験を通して、自然に生かされている感覚を呼び覚まして欲しいのです。

なんとか明るい未来を子どもたちに渡せないか!この重大な時代に生まれ合わせた私たちは、自分が果たすべき役割を精いっぱい果たしたい!私たちの仲間は本気でそう考えています。

ちよっと真剣モードになりすぎましたが、要するに元気野菜作りを真剣に楽しんで欲しいです。そして毎月の催しに出来るだけ参加してみんなで元気を循環増幅させ、ますますその楽しさを広げていきませんか?さしあたっての目標は8月1日に佐世保市東部住民センターで行うリサイクル野菜の収穫祭です。一人一人がちょっとづつ持ち寄って、リサイクル野菜でいっぱいにして、さらに多くの市民にアピールしましょうよ。

 
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