食育弁当講座内容を紹介


例)すしこま草月庵での食育弁当

リターナブル容器を使っての食育弁当
出張食育弁当ではリターナブル容器を使用しての実施を行なっています。
主催者側に味噌汁などをつくっていただいたり、デザートに地元の伝統お菓子を利用したりして参加者の方に600円の食費を払って頂く形で実施しています。

皮付き雑穀(玄米 ぶづき米 雑穀米)
皮付き成長点ごと旬野菜料理(無農薬無化学肥料)
海草を使ったメニュー 肉魚は控えめ
発酵食品としての漬物
本物調味料(醤油 味噌 酢  本みりん自然塩 きび砂糖)
出来る限り地元食材を使うということを条件にしてつくって頂いています。

平成18年12月10日(日)食育祭inさせぼ にて 食育祭報告ページへ

リクエストが多かったので、ホームページで内容を紹介します。各地での食育活動に活用して下さい。
利用の際には、ひとことご連絡いただけると嬉しいです。お手伝いできることがありましたら喜んで!?メール(中尾)
 
12月10日の食育祭では、5人のインストラクターが説明してくれました。40代から70代の皆さんが頑張りました!
700食のお弁当を用意して食育弁当講座を実施しました。下記はその時の原稿です。
(ゆっくりと説明して食べながらの講座で所要時間40分)
皆さん、食育講座へようこそ!講座の進行役を務める○○です。よろしくお願い致します。 さて今日は、皆さんと共に腸内細菌いっぱいの元気なおなか畑を作っていこうと思います。 生ごみリサイクルで土作りをすると見えないおなか畑のことがよく分かってきます。土の中に生ごみや草を入れて、土ごと発酵させる方法です。微生物「菌ちゃん」が爆発的に増えて菌ちゃんだらけの土ができます。 そんな土で作物を育てると、菌ちゃん達が栄養も生命力もバランスを取ってくれて、こんな見事な元気野菜が育ちます。
できたニンジンをすり下ろしてお店の普通のニンジンと比較すると20分で差が出てきました。抗酸化力のちがいがはっきり分かります。 夏のキュウリで実験してみました。同じに見えてもこんなに生命力に差があるのですね。 栄養成分を調べてもらうとこんなに違っていました。元気野菜の特徴は味が濃く、香りが強いのも特徴です。元気野菜は昔野菜!?現代野菜は栄養価が激減していますが、50年前の野菜と同じぐらい、野菜本来の栄養価を持っていました。
菌ちゃんパワーを利用すると病気も虫も来ないこんな元気な野菜を作ることができます。実は人間も同じです。みなさんもこんな元気な体をつくってみたいと思いませんか? 土の世界とお腹の中はそっくりです。良い土を作ることとお腹の良い発酵をうながすこととは良く似ています。 菌ちゃんだらけの土が野菜の生命力を作ったように、腸内細菌が豊富な体は生命力を生み出します。
これは小腸の柔毛の様子です。ここに食べ物があり、私達は食べ物に根をはっているようなものなのです。動く畑と動く植物とでもいえるかもしれませんね。ではこのおなか畑を菌ちゃんだらけにするための食べ方・食べ物について考えていきます。 まずは、菌ちゃんに優しい食べ方のポイントを説明します。 生ごみリサイクルでは生ごみを入れると、土壌微生物を表面にまぶすように、よく混ぜるのがポイントです。
私達の体の場合、食べ物に消化液がよくまぶすことが大切ですから、消化液の分泌の良い状態にすることが大切です。気持ちを静めて、さあ、命をいただこう!という気持ちになって下さいね。 これは胃の表面の様子です。食べ物がやってくると、この穴から胃液が無意識に吹き出してくるのです。緊張やストレスがあると消化液の分泌はとても悪くなってしまいます。 どんなに忙しい時もどんな食べ物に対しても、命を支えてくれる食べ物には感謝の心をもちましょう。
さて、皆さんの前にあるお弁当を見て下さい。今日のこのお米は佐々町の合鴨米研究会の皆さんが栽培して下さった手間暇かけた無農薬のお米です。 さらに、野菜は土作りから農家の皆さんが取り組んで栽培して下さった無農薬で無化学肥料の元気野菜達をこだわりの調味料で大宮市場のお弁当屋「ままや」さんを中心にNPOの皆さんが調理してくださいました。 そして、ギョウザは、佐世保魚市場で22cm以下の規格外と言われるアジの命を何とか大切に食べれられるようにしようという取組で開発された「たたき身」に地元野菜を混ぜ、無添加でつくりあげたギョウザです。
これら食べ物の命が私達の命へとつながります。心を込めていただきますを言いましょう。「手を合わせて下さい。いた〜だきます。」 さあ皆さん、まずは玄米おにぎりを一口入れて30回かんでくださいね。
生ごみリサイクルでも生ごみも小さくするほど分解がスムーズでした。
私達もよく噛むことが大切です。
生ごみにはスタートの分解をよくするためにボカシや米ぬかをまぶしました。 私達も、特に一口目は30回、しっかり噛んで下さい。刺激を受けてだ液の分泌がよくなってきます。もちろん今後も噛めば噛むほどいいです。 さて、生ごみを土に混ぜる時に肉や魚だけを固めていれると腐りやすくなります。
おなか畑でも同じく、肉や魚を食べる時は野菜やご飯を交互にタップリ食べたほうが良い発酵がしやすいです。昔から三角食べと言われましたが、交互に色々な物をおなか畑に送りましょう。 次に、私達が何を食べるべきかということについてかんがえていきます。私達は食べ物から生命力をもらわなくてはなりません。 生ごみを言われる部分はこんな所が多いのですが、実は最も細胞分裂がさかんで酵素の多い場所なのです。
菌ちゃん達は弱い命は土に返し次の命につなげますが、強い命はますます強くして生かそうとします。だから、食べ物のどこに命があるのかを教えてくれます。 野菜の生長点と言われる場所から芽が出てくることに子ども達が感激します。こんな強い命はできるだけ食べたほうがいいのです。食べられない所は菌ちゃんにとってのごちそうにもなり、より良い土を作ってくれます。 これはニンジンの生長点ごと料理の例です。固いところなどを上手に切り取って調理すれば美味しく食べられます。
こちらはタマネギの生長点です。根の部分は大きく切りすぎないようにしましょう。 ほうれん草など葉物野菜は付け根の部分が甘く酵素が多く栄養価も高いのです。汚いからとザックリ捨てる人が多いのですが、もったいないです。 キャベツは葉と葉の間に新芽があります。生え際まで刻むといいです。柔らかくて美味しいところです。
家庭菜園の醍醐味として常に生長点をふんだんに食べることができます。芽摘みをした脇芽なども美味しいものです。 天ぷらにしたり、油炒めにしたりできます。 さらに、間引きをしたニンジンやダイコンやカブなどの根菜類の葉にもカルシウムが豊富です。間引き菜をかき揚げにしたり油いためにしたりすると美味しいです。鰹節やイリコと一緒に炒めることもポイントです。
皮のパワーにも驚きます。たった2mmのジャガイモの皮から芽が出て根が出て、次の命を生み出します。 ためしてガッテンでも紹介されていましたが、ニンジンもゴボウも皮に、中心部よりも何倍もの旨みも栄養も抗酸化物質も入っているのです。 特に根菜類などは皮ごと料理がおすすめです。冷え性の人、低体温の人が今とても多いですが、冬場は特に、皮ごと根菜類をしっかり食べましょう。
ニンジンの皮ごと調理。保育園幼稚園小学校の給食現場で広がっています。 ゴボウは包丁の背でこする程度で。こすりすぎると旨みが無くなります。 タマネギの皮は特に土に戻りにくく最後まで残ります。ポリフェノール(ケルセチン)が豊富で酸化を防ぐ働きがとても強い場所です。
昔から高血圧の特効薬として血液サラサラにする煎じ薬として使われてきました。味噌汁に活用されるのもおすすめです。 このように、お湯に浸しておくだけでも充分使えます。必要に応じて煮汁に入れたりしてもいいですね。 カレーの時などは表面にしばらく浮かべておくのもいいですよ。
生長点も皮もタマネギの皮エキスも使った血液サラサラカレー!?こんな料理が食べられるのは家庭料理ぐらいしかありません。特別な料理じゃなくても簡単料理でいいので命の多い食事を家族に届けてみませんか。 食材はできるだけ全体を食べるように心がけていれば、バランスが取れてきます。その食材を消化する酵素も皮などに多く含まれているからです。もったいないとは「命を大切にして守ること」につながるのですね。 土作りでは草を土にすきこむと微生物の発酵もとてもよくなります。草が生み出す微量ミネラルも大きな役目を果たします。
おなか畑では、調味料や食材から微量ミネラルをもらいます。 特に調味料は大切です。ミネラルや酵素が多く含まれたものを選びたいものです。今日の料理にも全て、こだわり調味料を使ってもらいました。 まず、塩は塩化ナトリウムだけではなく海のミネラルがバランス良く入った「自然海塩」をおすすめします。カリウムやマグネシウムがバランス良く入っています。長崎の山から海からのミネラルを含む塩を平戸や五島で作って下さっています。
砂糖は精製されすぎず、ミネラルを残した粗糖や黒砂糖をおすすめします。砂糖も輸入品が多い中、奄美大島で作られたサトウキビで作った粗糖を草加家さんが手頃価格で販売を始めて下さいました。 毎日使う醤油はとても大切です。本物醤油を選んで下さい。 地元大手のチョーコー醤油さんも大豆・小麦・塩とコウジ菌ちゃんで作った本物醤油も、安い短期醸造の味付け醤油も消費者に合わせて両方作っています。微生物が作り出す生理活性物質の表示は誰もできませんが命の差は明らかです。
醤油の世界はピンからキリまであるのが現状です。カラメル色素で色づけ…化学調味料で味付け…たんぱく加水分解物… 味噌は自家製や地域で作られている無添加味噌を選びましょう。大地といのちの会でもこだわり材料で春と秋に味噌造り教室も始めています。 世界一の長寿国日本を作ったのは菌ちゃんを食べる発酵食品の歴史です。漬物や発酵調味料は本物を選ぶように心がけましょう。
長期発酵の酢を作る生産者の方ももう長崎県内に2件ほどしか残っていないのが現状です。 川添酢造さんが作る酢は原材料「米」。長期熟成をして作るのに対し、アルコールから数日でつくられる100円や200円の酢。中身の違いを知ることが大切です。 お店にはどちらも並んでいます。選ぶのは消費者。だからこそ、もっとわかりやすい売り場への声も上げていきたいものです。
みりんも添加物で味付けシロップのみりん風調味料が主流になってしまっています。 ビールの世界も菌ちゃんのはたらきを添加物に置き換えた安いビールが店頭をにぎわしています。 お酒の世界もそうです。安いお酒をガブガブ飲んで悪酔いするその先は要注意です。
土作りの最後の仕上げにはカキガラ石灰を忘れてはなりません。 海のミネラルとカルシウムは生物になくてはならないものです。 私達も、毎日の食事で海のミネラルとカルシウムを食べましょう。
出しをとるのは「昆布・炒り粉・うるめ節」などを活用しましょう。海草や小魚を使う和食は日本人の体に多くのカルシウムを届けてくれます。 ぜひ、1日1杯の味噌汁を飲むことをおすすめします。朝の味噌汁は特におすすめです。 土ができた頃に、合図のように芽吹いてくる種達にも驚かされます。種は命の材料がセットで詰まっている命の固まりのようなものです。
生ごみリサイクルをすると必ず植えてもいないのにカボチャを収穫できたりするものです。 この命ある種を毎日食べよう。 日本人は稲の種である米を食べてきた民族です。野菜が豊富な気候と海に囲まれ米・野菜・魚をよく食べてきた草食動物に似て腸の長い胴長短足の民族です。
特に皮ごとの玄米には繊維もミネラルも完全栄養食と思えるほど豊富に含まれています。白米にするとカロリーばかりになるので、多くのおかずをバランスよく食べることが求められます。 菌ちゃんが大好きなミネラル豊富なこの糠をできるだけ残して食べることをおすすめします。おかずのコントロールは各個人で難しいのですが、主食で取り組むのが最も簡単に体の変化として成果が出やすい部分です。 ぶづき米というのは酸化しやすいため流通ができません。玄米は固くて苦手な方は、家庭で2万円程度の精米器で五ぶづき程度に精米すると食べやすくミネラルも胚芽も残っていて、最高の贅沢とも言えると思います。
精米器を買えない人、家族に白米好きの人がいる場合は、このように玄米を水につけておいて、必要に応じて混ぜることをおすすめします。数日おいておくと発芽玄米になり酵素や栄養価が高まります。 炊飯器に好みの量の玄米を一部に混ぜて炊くだけです。 白米好きの人にはここを、玄米を食べさせたい人にはここからつげばいいわけです。
野菜ぎらいのお子さんなどには、できるだけ多く玄米を混ぜて食べさせてあげて下さい。食物繊維も多く入っています。 水につけて白米と玄米を比べてみました。白米は腐るだけですが、玄米はまだ生きている命です。芽が出てきました。 玄米は白カビを出しながら発酵するように腐っていきました。おなか畑の発酵状態がよくなるのも理解できる気がしますね。
旬の露地野菜を食べましょう。 夏野菜にはカリウムが多く、体を冷やす作用があります。 冬野菜にはナトリウムが多く体を暖める作用があります。自分と同じ気候の中で、今、元気な命を食べることによって、自分自身もその環境で生きる力をつくることができます。
ぜひ、地元の農家の方々の農産物を大切に感謝して買い物していきたいものです。今、佐世保の農家の皆さんも農林部ともに有機農業の研修を行なっています。もっともっと命あふれる食べ物が街をまわるように応援していきたいですね。 最後に飲み物についてです。のどが乾いた時は水かお茶を飲むようにしましょう。 ジュースは何か特別な時など、楽しんで味わって飲むものです。のどが渇いた時にガブ飲みすると病気のもとになります。
ペットボトル症候群など、若い世代の病気が増えています。糖分の急激な摂りすぎにより、イライラやウツ病を招いたり、免疫力を下げてしまったりするので要注意です。 できれば自然な家で沸かしたお茶が一番。食べ物も飲み物も自然に菌ちゃんが食べられる「腐ることができるもの」を選ぶことも大切ですね。腐らない食べ物には注意が必要です。 消費者が変われば、コンビニ業界も企業も変わろうとしています。何を買うか、とても責任のあることです。

日々の消費行動も子ども達の食環境作りにつながっています。何を食べるか、何を自分の命にするのか、自分でしっかり選んでいきましょう。 大地といのちの会では、命あふれる食べ物が増えるように、わかりやすくなるように、「おすすめシール」をつくって、そうした生産者を応援しています。こんなマークを見つけたら応援してあげて下さい。 佐世保玉屋に試験的にだいち村コーナーをつくり、1年間、展開して来ました。こんなコーナーを各地のスーパーにもつくっていただきたい…と願っています。


長崎市内のスーパーダンクユーさんが賛同して下さって、コーナーをつくられました。他にもつくって下さる経営者の方があれば喜んで生産者紹介をします。消費者も生産者も流通業者も、みんなで力を合わせて、みんなが元気になりながら、この街に命めぐる食環境をつくっていきたいものですね
(現在、ジャスコさんとも話が進んでいます。地元市場にも昔ながらの職人さんの食品を復活させましょう。)
食べ物の命と、このありがたい命を届けて下さった多くの皆さんに感謝して、「ごちそうさまでした!」
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